2024/07/10 15:29
はじめに
縄文食器とは、山から採取した自然のままの粘土を使用し、縄文時代から戦前まで脈々と受け継がれてきた日本の土着信仰に基づく器です。
この器は、魔を祓うとされる麻模様を施し、昔ながらの薪窯で焼き上げられています。
保温力・活性化作用・鮮度保持など、縄文食器には多くの優れた特性があります。
この記事では、縄文食器の特長や一般の食器との違いについて詳しく解説します。
1. 天然素材のみを使用
一般の市販の粘土は、使用しやすく安定させるために30種類以上の原料を混ぜ合わせ、科学的に作られたものがほとんどです。
一方、小川窯の縄文食器は岐阜県恵那市の粘土山から採取した赤粘土をそのまま使用しています。
自然のままの粘土を使うことで、器そのものの風合いと自然の力を最大限に引き出しています。
2. ひとつずつ手作り
縄文食器は、粘土からろくろを使ってひとつずつ手作りされています。
機械で完璧に作られたものとは異なり、手作りならではの「ぬくもり」が感じられます。
手作りのため少し重く、炎の力で多少の歪みが生じますが、それもまた魅力の一部です。
使い込むほどに味わいが増し、親子で何代にもわたって大切に使っていただける器です。
3. 鮮度を保つ微細な気孔
縄文食器は科学的な釉薬を使わず、粘土そのものを薪の炎で焼き上げています。
これにより、粘土内には微細な気孔が残り、水が漏れない程度の通気性があります。
この特性により、食物や飲物の鮮度を長く保つことができます。
表面に釉薬を施さないため、自然な凹凸があり、食物が器に密着せず取りやすくなっています。
また、食物の乾燥を防ぎ、新鮮な状態を長くキープします。
ビールを注ぐ際には、この凹凸のおかげで泡が細かくなり、格別な味わいを楽しめます。
4. 薪窯で焼くことによる保温性
電気、ガス、灯油窯で焼く場合、器の表面から焼けていきますが、薪窯は器の芯から焼けていきます。
これにより、一般のやきものよりも強度が高く、丁寧に扱うことで親から子へ何世代にも渡って使用することができます。
また、粘土内部の組織が緻密に焼けているため、「比熱」が大きく、保温力が高くなります。
冷たいものは冷たいまま、温かいものは温かいまま長時間美味しく保てます。
5. 遠赤外線効果
電気のなかった時代、人々は粘土を焼き締めただけの器に水や食料を保存してきました。
これは、粘土から永久的に放出される3〜6ミクロンの遠赤外線波長が、水分を最も活性化させることを知っていたからです。
表面に釉薬をかけてガラスで覆ってしまうとこの効果は小さくなりますが、小川窯の縄文食器は大量の遠赤外線を永久的に放出し、食物の鮮度を保つ効果があります。
6. 炎の神様との共作
小川窯の縄文食器はワラに包んで焼き上げることで、ワラの跡が器に移ります。
これは炎の神様が偶然につけてくださるものであり、1作品ずつが世界に一つだけのものです。
すべての器は自然の影響を受けやすい薪窯で焼いているため、多少の変形もありますが、それも味わいの一つとして楽しんでいただけます。
まとめ
縄文食器は、自然の力と古代の知恵を最大限に活かした器です。
現代のライフスタイルにも調和し、日々の食卓を豊かに彩ります。
小川窯の縄文食器を手に取ることで、昔ながらの日本の文化や精神を感じていただければ幸いです。